外食フランチャイズ 「和風チェーンVS洋風チェーン」 加盟するならどっちだ!

株価好調を受けて景気が上向きとなっている日本経済。アメリカでも連日のように最高値を更新、仮想通貨も一時200万円を突破するなどバブル期を彷彿とさせるような状況が続いています。このような背景もあってか国内の外食産業は2年連続で前年を上回るなど堅調な動きを見せています

日本フードサービス協会によれば、2016年の外食産業市場規模は前年比163億円の増加となる25兆4169億円でした。ファストフードが好調で特に「洋風」では前年比2.8%の増加となっています。

訪日外国人の増加や法人交際費の増加で活気づいてきた国内の外食産業。フランチャイズ加盟するなら定番の「和風」か。それとも勢いづいてきた「洋風」か。果たしてどちらを選ぶべきなのでしょうか

直近の外食産業の市場概況

少子高齢化により人手不足となっている外食産業ですが、直近2〜3年の外食需要は堅調です。

一般社団法人の日本フードサービス協会による外食産業市場調査によると、2016年の外食産業市場はほぼ前年並みの25兆4269億円(前年比0.1%増)でした。

主な理由には円安、日本ブームなどを理由とした訪日外客数の伸びや大手飲食チェーンの売上が順調なことも挙げられました。

外国人にB級グルメが大人気!

外国人に人気の日本食といえば「天ぷら」「すき焼き」「寿司」などが定番でしたが、最近は「牛丼」「ラーメン」「焼きそば」などのいわゆるB級グルメが大勢を占めるようになりました。

日本でも人気のラーメンチェーン「一風堂」は現在、国内で81店舗を構えますが、海外でもすでに70店舗以上を展開しており、2025年には300店舗に拡大する方針を掲げています。

しょうゆ味よりもとんこつ味を好む外国人が多く、昨年9月にはニューヨークで71店舗目がオープンするなど、海外進出は順調です。

また、アジアを中心にフランチャイズ展開している「8番らーめん」はタイ国内で122店舗、香港では8店舗(2017年9月時点)を経営しています

チェーン店舗で使用されるスープはタイ国内で製造されたものを使用するなど、海外店舗でも味に差が出ないような工夫がされています。同製造工場は1997年に設立され、現在でもタイ国内外に販売しています。

(参照:8番らーめん

観光客を満足させるラーメン

リクルートライフスタイルが訪日観光客を対象に行ったアンケート調査によると、「日本に来た際の観光目的は何か」との質問で、「都市で買い物を楽しむ」「自然や風景を見て回る」を抑えて、「日本食を楽しむ」と回答したのが約8割で最も多くなりました

日本に来た観光目的

順位 理由 割合
1 日本食を楽しむ 79.7%
2 都市で買い物を楽しむ 62.8%
3 自然や風景を見て回る 62.3%
4 温泉に入る 50.7%
5 テーマパークに行く 38.8%
6 寺社など歴史的な建物や街並みを楽しむ 36.2%
7 桜を見る 32.0%
8 日本人の日常生活を体験する 31.7%
9 日本の歴史や伝統文化を体験する・学ぶ 30.8%
10 旅館に泊まる 29.0%

(参照:リクルートライフスタイルより)

さらに、「実際に食べたメニューのなかで最も美味しかったもの」を訪日客に訪ねたところ、「ラーメン」が全体の32.0%を占めて1位となりました。このほか、2位「刺身」(21.8%)、4位「巻き寿司・カッパ巻き」(17.3%)、5位「天ぷら」(16.0%)と昔から定番の日本食が名をつらねましたが、3位「とんかつ」(20.2%)、7位「カレーライス」(16.0%)、8位「焼肉」(15.8%)などの国民食が上位にランクインしました。国・地域別にみても、台湾・香港・タイ・アメリカでラーメンが1位を獲得しました。

アジア地域のみならず、欧米でも人気となった日本のラーメン。訪日外国人のなかにはラーメン目当てに来日する人も多く、立派な観光資源の1つと言える状況です

外国人が実際に食べた日本食でおいしかったもの【満足度調査】

総合順位 メニュー 割合 台湾 香港 タイ アメリカ
1 ラーメン 32.0% 39.0% 46.0% 38.0% 20.0%
2 刺身 21.8% 18.0% 27.0% 19.0% 19.0%
3 とんかつ(カツ丼、カツカレー含む) 20.2% 19.0% 25.0% 21.0% 12.0%
4 巻き寿司・カッパ巻き 17.3% 10.0% 16.0% 10.0% 20.0%
5 天ぷら(天丼含む) 16.0% 19.0% 29.0% 8.0% 13.0%
焼き魚 16.0% 8.0% 13.0% 27.0% 18.0%
7 カレーライス 16.0% 18.0% 18.0% 8.0% 14.0%
8 焼肉 15.8% 12.0% 23.0% 14.0% 8.0%
お好み焼き 15.8% 16.0% 16.0% 3.0% 12.0%
10 すき焼き 15.5% 15.0% 20.0% 27.0% 9.0%

(参照:リクルートライフスタイルより)

和風?洋風? どっちが人気?

家族で外食する際、日本食か洋食かで揉めたがある人も多いのではないでしょうか。子供は洋食が好きだったりしますが、大人になるほど日本食を好むようにもなります。

日本の洋風レストランは近年外国人にも人気で、オムライスやカレーライス、ナポリタンなどマイルドな味付けが受け入れられています。

2-1 売上高では洋風に軍配

和風と洋風の市場動向における売上(2016年)を見ると、「ファストフード」では洋風が年間で前年比9.7%増だったのに対して、和風は前年比4.9%でした。店舗数では「洋風2.6%減、和風1.8%増」、客数では「洋風2.4%増、和風4.7%増」、客単価では「洋風7.2%増、和風0.2%増」となりました。

また、ファミリーレストランでは、洋風は前年比0.3%の減少でした。一方、和風は0.4%の増加となりました。このほか、店舗数では「洋風0.1%減、和風0.5%増」、客数では「洋風0.2%増、和風0.5%増」、客単価では「洋風0.1%増、和風0.9%増」となりました。

ファストフードとファミレスにおける洋食・和食データの対前年比増減比

売上高 店舗数 客数 客単価
ファストフード 洋風 109.7% 97.4% 102.4% 107.2%
和風 104.9% 101.8% 104.7% 100.2%
ファミリーレストラン 洋風 99.7% 99.9% 99.8% 99.9%
和風 100.4% 100.5% 99.5% 100.9%

(参照日本フードサービス協会 2016年「外食産業市場動向調査」より)

ファストフードの売上高では洋風チェーンが一歩リードするものの、店舗数では前年比で3%近く落ち込みました。また、ファミリーレストランでは「売上高」「店舗数」「客数」「客単価」の全項目で前年比マイナスとなりました。

一方、和風はファストフードで全項目でプラスとなりました。客数では洋風を上回る高い伸びを見せました

調査を行った日本フードサービスは、

『ファストフード』は4年ぶりに前年を上回り、『ファミリーレストラ』、「ディナーレストラン」(104.3%)、『喫茶』、『その他』は5年連続して前年を上回った。一方で「パブレストラン/居酒屋」は 8 年連続して前年を下回った。ここ数年外食市場を牽引してきた『ファミリーレストラン』の伸びは一服する中、『ファストフード』が大きく前年を上回る1年となった

と分析しました。

いきなり!ステーキの大躍進

ここ数年、業績が好調な和風外食チェーンと言えば、ペッパーフードサービスが展開する「いきなり!ステーキ」が挙げられます。2013年、東京・銀座に1号店を出店後、4年で164店舗に拡大。昨年12月に発表された第三四半期決算資料によれば、売上高は334億円を超えました

ステーキ・ハンバーグレンストランの好調ぶりは「いきなり!ステーキ」だけに限りません。2017年の市場規模は前年比5.8%増となる1186億円になると見込まれました。

また、同社は昨年2月、肉の本場・アメリカに海外初出店を行いました。出店地域は日系飲食店が多く立ち並ぶニューヨークのイーストビレッジ。日本と同様の「立ち食い」スタイルの挑戦となりましたが、日に400人のお客が訪れるなど経営は順調です。また、店内で食事する際に使用される使い捨ての紙エプロンが米メディアで取り上げられるなど話題性にも事欠きません。

さらに、ペッパーフードサービスは昨年11月にラーメンチェーン「幸楽苑」を運営する幸楽苑ホールディングスとフランチャイズ契約を締結したことを発表しました。ドミナントエリア内での競合を回避しつつ、企業価値を高めていくことを明らかにしました。

異なる業態同士の提携で、フランチャイズビジネスに新たな可能性が期待されています

(いきなり!ステーキ 人気の立ち食いスタイル)

若者の酒離れが影響? 料飲部門2.4%減少

総務省による「日本標準産業分類」に基づいて外食市場を①給食主体部門(レストランなど)と飲酒業態などの②料飲主体部門別に見てみます。

①給食主体部門は「営業給食」と「集団給食」に分けられます。営業給食は、さらに「飲食店、国内線機内食等(列車食堂・国内線機内食)」「宿泊施設」に分けられ、さらに飲食店は「食堂・レストラン」「そば・うどん店」「すし店」「その他の飲食店」に分類されます。

また「集団給食」は、「学校」「事業所」「病院」「保育所給食」に分類し,さらに事業所は「社内食堂等給食」「弁当給食」に分類されます。

②料飲主体部門は「喫茶店・居酒屋等」「料亭・バー等」に分けられます。「喫茶店・居酒屋等」はさらに「喫茶店」「居酒屋・ビアホール等」に分類されます。「料亭・バー等」は「料亭」「バー・キャバレー・ナイトクラブ」にそれぞれ分類されます。

「居酒屋・ビヤホール等」が前年比4.9%の減少と、深刻な酒離れの影響が指摘されています。

料飲主体部門全体の市場規模は前年比2.4%減少となる5兆650億円。このうち、「喫茶店」は1兆1,175億円(前年比1.0%減)、「居酒屋・ビヤホール等」は1兆77億円(前年比4.9%減)、「料亭・バー等」は2兆9398億円(前年比2.0%減)と、いずれも前年よりも縮小しました。

一方、「飲食店」「宿泊施設」「社員食堂」「病院給食」などの「給食主体部門」の市場規模は前年比0.7%増の20兆3519億円と好調です。

「飲食店」は13兆8767億円(前年比1.8%増)で、内訳ではファストフードのハンバーガー店・お好み焼き店などの「その他の飲食店」が6.3%増となりました。このほか、「そば・うどん店」(立ち食いそば・うどん店含む)は0.2%増、「すし店」(回転寿し含む)は4.4%増、「食堂・レストラン」(ファミリーレストランや一般的な食堂、専門料理なども含む)は1.1%増でした。

大手飲食チェーンの売り上げが伸びていることについて、日本フードサービス協会は訪日外国人の増加や法人交際費が増えていることが影響していると述べました。

外食産業の市場規模

2014年 2015年 2016年
給食主体部門 食堂・レストラン 9兆4348億円 9兆7986億円 9兆9039億円
そば・うどん店 1兆1696億円 1兆2373億円 1兆2397億円
すし店 1兆3916億円 1兆4394億円 1兆5028億円
その他の飲食店 1兆2244億円 1兆1572億円 1兆2303億円
宿泊施設 2兆7410億円 2兆9356億円 2兆8199億円
料飲主体部門 喫茶店 1兆0921億円 1兆1291億円 1兆1175億円
居酒屋・ビヤホール 1兆0380億円 1兆0569億円 1兆0077億円
料亭 3509億円 3586億円 3514億円
バー・キャバレー・ナイトクラブ 2兆5845億円 2兆6414億円 2兆5884億円

(参照:日本フードサービス協会 2016年「外食産業市場動向調査」より)

寿司を食べる機会は減った?

外国人がイメージする日本食の代表と言われるのが「お寿司」です。前述した通り、近年はラーメン人気に押され後塵を拝しています。では、日本人が寿司を食べる機会はどうなっているのでしょうか。

独立行政法人の中小機構(中小企業基盤整備機構)が運営しているJ-Net21によると、「回転寿司」を利用する人の割合は72%と非常に高い数値でとなっています。

回転寿司の利用率は高い

利用頻度を男女別の年齢階層別にみると、最も高かったのが30代女性(「よく利用している14%+「たまに利用している」63%」と40代男性(「よく利用している」14%+「たまに利用している」63%)で77%となります。次いで、40代女性で75%(「よく利用している」8%+「たまに利用している」67)、20代男性と20代女性で73%(「よく利用している」14%+「たまに利用している」59%)と続きます。

利用率が最も低かったのは意外にも50代女性で67%(「よく利用している」10%+「たまに利用している」58%)でした。次いで60代女性68%(「よく利用している」6%+「たまに利用している」61%)、50代男性69%(「よく利用している」13%+「たまに利用している」56%)となります。

回転寿司の利用率

利用率 よく利用している たまに利用している
20代男性 73% 14% 59%
20代女性 73% 14% 59%
30代男性 70% 11% 59%
30代女性 77% 14% 63%
40代男性 77% 14% 63%
40代女性 75% 8% 67%
50代男性 69% 13% 56%
50代女性 67% 10% 58%
60代男性 71% 13% 57%
60代女性 68% 6% 61%

(参照:独立行政法人中小機構「J-Net21」より)

低価格でかつ気軽に利用することができる回転寿司。かつては日本食を代表する料理だっただけに、訪日外国人の間での人気復活に期待がかかります。

スシローと元気寿司の経営統合

昨年9月には業界最大手チェーンの「スシロー」を全国展開するスシローグローバルホールティングスと元気寿司が経営統合する方針であることを発表。統合による両者の業界シェアは3割にのぼります。スシローは国内に484店舗(2018年1月時点)を構える人気回転寿司チェーン。一方、元気寿司は海外で167店舗を展開しています。

スシローホールディングスの水留浩一社長はインタビューで元気寿司から海外進出のノウハウを吸収することで、海外での新規出店を狙っていることを明らかにしています。また、国内152店舗・海外167店舗(子会社16店舗、海外フランチャイズ151店舗)を構える元気寿司は昨年11月に発表した2018年3月期決算説明会のなかで、「2019年3月期までに国内200店舗体制、海外250店舗体制」を実現させる方針を掲げました。

元気寿司の海外店舗数

中国 52店舗
香港 73店舗
フィリピン 4店舗
タイ 2店舗
シンガポール 5店舗
インドネシア 11店舗
カンボジア 1店舗
クウェート 2店舗
オーストラリア 1店舗
アメリカ ワシントン 2店舗
カリフォルニア 1店舗
ハワイ 13店舗

(参照:元気寿司「2018年3月期決算説明資料」より)

ラーメン店の利用率、40代男性で約90%

次にラーメン店の利用頻度に関する中小機構の調査では、全体的な利用率は75%でした。男女別で最も利用率が高かったのは40代男性の89%(「よく利用している16%+「たまに利用している」73%」となります。次いで、30代女性で84%(「よく利用している」14%+「たまに利用している」70%)、30代男性83%(「よく利用している」15%+「たまに利用している」68%)、50代男性80%(「よく利用している」14%+「たまに利用している」66%)と続きます。特に男性の利用率が81%と高いのが特徴的です。

一方利用率が最も低かったのは60代女性で52%(「よく利用している」3%+「たまに利用している」48%)となりました。次いで50代女性59%(「よく利用している」3%+「たまに利用している」56%)、40代女性72%(「よく利用している」13%+「たまに利用している」56%)となります。

ラーメン店の利用率

利用率 よく利用している たまに利用している
20代男性 73% 14% 59%
20代女性 76% 10% 65%
30代男性 83% 15% 68%
30代女性 84% 14% 70%
40代男性 89% 16% 73%
40代女性 72% 9% 63%
50代男性 80% 14% 66%
50代女性 59% 3% 56%
60代男性 76% 16% 61%
60代女性 52% 3% 48%

(参照:独立行政法人中小機構「J-Net21」より)

ワイエスフード、海外100店舗へ

「山小屋」「ばさらか」「一康流」などのラーメン店をチェーン展開するワイエスフードは福岡に本社を構える企業です。全国に120店舗以上を展開しており、2005年にジャスダック(JQ)に上場。翌年には海外に進出し、インドネシア、マレーシア、フィリピン、マカオ、ミャンマー、ベトナムなど東南アジアを中心に積極的に出店を重ねています。また、各ブランドでフランチャイズ形式で店舗展開に取り組み、初めて店舗運営するオーナーには本社敷地内で行われる研修プログラムを受講することも可能としています

海外でも牛丼が大人気!? 吉野家、800店舗に迫る勢い

日本のファストフードとして海外で有名なのが牛丼です。なかでも1980年代にはロサンゼルスに進出していた吉野家は、2017年12月時点で国内1201店舗、海外783店舗を構えます。アジア(北京219店舗、香港61店舗、台湾64店舗、インドネシア73店舗)を中心に、アメリカでも101店舗を運営しています。2014年にマレーシアにアジア吉野家インターナショナルを設立し、海外展開の拠点としました。今後は海外1500店舗を目標にさらなるグローバル展開に取り組む方針です

(▲海外の吉野家)

日本人に人気の「洋風」か外国人に人気の「和風」か

このように海外で日本食がブームとなっている今、フランチャイズ加盟する業態の選択肢は広がりました。海外発祥のケンタッキーフライドチキン、サブウェイ、ドミノ・ピザ、マクドナルドほか、日本のモスバーガー、ロッテリア、吉野家、すき家、松屋、はなまるうどん、かつやなど多岐に渡ります。

現在、日本の外食チェーンによる海外進出は活況を呈しています。特に2000年前後から急増し、政府のクールジャパン戦略に基づく支援もあり、今後も一層のさらなる海外進出が予想されます。

各外食企業の海外進出状況

独調査会社のプルデンティアによれば、日系外食企業の海外進出状況は次のようになります。

日系企業の海外出店データ(※集計時期は各企業で異なる)

海外店舗数 海外店舗の割合 進出国
吉野家ホールディングス 688店舗 23% アメリカ、台湾、中国、香港、シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイ、カンボジア、マレーシア
モスフードサービス 325店舗 18% 台湾、香港、インドネシア、シンガポール、韓国、タイ、中国、オーストラリア
ペッパーフードサービス 213店舗 50% シンガポール、インドネシア、オーストラリア、タイ、台湾、中国、フィリピン、香港、マカオ、マレーシア、韓国、ベトナム、カンボジア、カナダ、ブルネイ
コロワイド 80店舗 3% 米国、韓国、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、台湾、韓国、ベトナム、カナダ
大戸屋ホールディングス 88店舗 21% タイ、台湾、香港、シンガポール、インドネシア、米国、中国、ベトナム
元気寿司 130店舗 49% アメリカ、シンガポール、香港、タイ、クウェート、インドネシア、中国
サイゼリア 290店舗 22% 中国、台湾、香港、シンガポール、オーストラリア
グリーンハウスグループ 136店舗 5% 韓国、台湾、タイ、シンガポール、香港、カナダ、中国、フィリピン
壱番屋 162店舗 11% アメリカ、中国、台湾、韓国、タイ、香港、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン
トリドール 135店舗 14% カンボジア、マレーシア、ベトナム、オーストラリア、台湾、インドネシア、ロシア、香港、韓国、中国、タイ、米国

(参照:プルデンシア「日本の外食企業の海外進出状況」)

海外進出を成功させるには

経済産業省資料によれば、海外進出を成功させるためには、戦略地域の選定について、①食産業市場規模・成長性、②制度・ルールの障壁の高さ、③日本食に対する受容性・普及度、④他産業にとっての有望性、⑤周辺市場への影響力、⑥日本食の伝搬ルート・機会、⑦考慮すべき特殊事項の7項目が重要であると指摘します。

1 食産業市場規模・成長性 投資するに足る規模や成長性は見込 まれるか?
2 制度・ルールの障壁の高さ 規制による障壁は高いか、低いか? どのような対策が必要か?投資するに足る規模や成長性は見込まれるか?
3 日本食に対する受容性・普及度 日本食に対して興味はあるのか?
4 他産業にとっての有望性 食以外の産業での動向や有望性はあるのか?
5 周辺市場への影響力 影響力があり周辺市場への伝搬を見込めるのか?
6 日本食の伝搬ルート・機会 日本食の伝搬のためのルートや機会 はどの程度あるのか?
7 考慮すべき特殊事項 独自に加味すべき特殊事項は?

(参照:経済産業省「クールジャパン(日本食分野)発掘 のための産業分析調査」)

国別の市場評価

進出地域の国別評価では、たとえばタイは、親日国でもあり日本食・日本文化が浸透しています。多くのメーカー関連の日系企業も進出しており、グローバル拠点としての魅力も大きい国となります。

インドネシアやベトナムは、ともに市場の成長可能性が高く、大きなポテンシャルを秘めているとされます。またインドネシアは大半がイスラム教徒でもあるため、ムスリム市場開拓の足がかりとすることも可能です。

アジア最後の秘境の地と言われるミャンマーは、市場の成長可能性が高く、日本食が受け入れられやすい環境であるとされます。

すでに多くの日系外食企業が進出している中国は、市場の大きさは世界随一であり、経済成長の鈍化も指摘されていますが、成長性はまだまだ期待できる市場と見られています。

一方、ヨーロッパ地域に目を向けると、英国はGDPの規模も大きく、日本食を受け入れるポテンシャルも高いとされています。

フランスは、日本食・日本文化がすでに浸透しており、さらにフランスでの成功が他EU諸国に与える影響も大きいため、魅力ある市場と見られています。

オリンピック問題で揺れるロシアは市場規模、GDP規模ともに大きく、日本食に対する興味も強くなっています。

またブラジルは、多くの日系人も住んでおり、高GDP成長率を維持しているため進出する価値は高いと見られています。

2020年には東京オリンピックを控える日本。内閣府はクールジャパン戦略の基本方針として、日本からの輸入額、訪日時の旅行総支出額ともに高水準であるタイ、インドネシア、ベトナム、シンガポール、マレーシアの計5カ国を選出し、取りまとめました。

特徴
タイ タイでは日本食が外食の中でも圧倒的に優位を占めている。外食頻度は100%で、約半数が週2~3回外食に出かける。タイ人の約7割が週1回以上は日本食を食べている。一方で飲酒文化は浸透しておらず、1年に1回程度の飲酒層が3割超を占める。半年に1回程度も含めると5割超となる。基本的に食事のみを楽しむ人が多いため、料理と酒類の組み合わせを気にしない人が多い
インドネシア 外食頻度は比較的少なく、1週間あたり1~2回ほどである。外食する際、重視するのは「味」「清潔さ」「雰囲気」であり、家族・恋人とともにというより、1人で外食する機会のほうが多い。外食の世帯支出比率は8%程度だが、中高所得者層の若い世代は、バラエティ性を求めて健康オーガニック食品や、ファストフード、インドネシア各地の郷土料理や外国料理専門レストランなどを楽しんでいる。日本の「うどん」「ラーメン」などが受け入れられている
ベトナム 個人独立系の飲食店がいまだ多く、チェーン展開の市場シェアは低い状況である。また屋台文化が強く、特に朝と昼の外食が多くなっている。中所得層の増加により外食への支出は急増。世帯支出比率は7%程度となる。1週間当たりの外食頻度は、6回前後である。日本料理を食べたことがあるベトナム人は8割超えているが、頻度は半年に1回もしくはそれ以下が約3割と最も多い。低価格帯を中心としたメニューで需要拡大の余地がある
シンガポール 外食文化は強く、外食頻度も多いが低価格帯が比較的好まれる。外食の世帯支出比率は13.5%。イスラム教徒は人口比で13%前後いるため、必要に応じてハラルフード(ムスリムでも食することを許されている料理)を考慮する必要がある。特に豚肉が禁じられており、豚骨スープなどダシとしてのみ使った場合でも提供してはならない。日系スイーツも人気で菓子メーカーのロイズがすでに進出している
マレーシア 中華系、マレー系、インド系が混在するが、空前の日本食ブームが訪れている。日本食レストランは「高級食」のイメージが薄れ、「誰でも気軽に行ける」ものへ変化した。近年、経済発展が著しく、物価や消費の上昇に伴い、個人所得も上昇し、中間所得層および富裕層の割合が急増している。首都クアラルンプールでは近年日本料理、西洋料理、中東料理、台湾料理、韓国料理店等のレストランが急激に増加している。

(参照:内閣府「クールジャパン海外展開のための国別報告書」)

海外でフランチャイズ展開するためには、現地での綿密な需要調査と外資規制などの法的制度を知る必要があります。日本文化や日本食がブームとなっている現状でも出店戦略地域を誤れば、短期間での撤退ということも十分ありえます。

寿司や天ぷらなど海外では高級料理のイメージの強かった日本食は、「やきそば」「ラーメン」「牛丼」などの登場により、低中所得層に受け入れられ始めました。日本よりも若干割高ですが、現地で同様の食材を安く調達することで低価格で提供することができます。新たな客層の開拓につながるかもしれません。

世界では米フランチャイズチェーンが上位を占めるものの、日系外食需要も確実に高まりつつあります。2020年の東京オリンピックに合わせて、急成長している和風チェーンを選ぶか、市場が広く安定した需要が見込める洋風チェーンを選ぶか。自分に最も合ったフランチャイズビジネスを見極め、夢の独立開業を果たしましょう