大手コンビニの加盟料・ロイヤリティ徹底比較② 〜ミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマート編〜

前回記事「大手コンビニ3社の加盟料・ロイヤリティ徹底比較」では、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンを紹介しました。今回は、業界勢力図で第2グループに属するミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマートを取り上げます。店舗数は3000店舗〜5000店舗とトップ3社には及ばないものの、根強い固定ファンを獲得しています。特にセイコーマートは北海道での店舗数No.1であり、全国で唯一トップ3社が勝てないコンビニエンスストアとなります。

果たしてそんな第2グループの加盟料、ロイヤリティはいくらなのか。それぞれ詳細に見ていきましょう。

直近のコンビニフランチャイズ市場概況

10月度のコンビニエンスストア統計調査(日本フランチャイズチェーン協会発表)によれば、季節外れの台風上陸や秋雨前線の停滞により、全国的に雨天日が多くなった結果、外出機会が減少し、既存店ベースの売上高は5か月連続の減少となる7950億円となりました。来店客数は1年8か月連続の減少で12億9550万人でした。一方、客単価は2年7か月連続の増加で614円と好調です。

コンビニエンスストア全店基礎データ

2017年10月 2016年10月
全店舗売上高 9052億円800万円 9020億2700万円
全店舗数 5万5341店舗 5万4007店舗
全来店客数 14億6630万3000人 15億205万4000人
全店平均客単価 617円 600円

(日本フランチャイズチェーン協会資料より)

第2グループの加盟金・ロイヤリティ

ミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマートの加盟に必要な金額を見ていきます。いずれもトップ3社とは異なる独自戦略で生き残ってきた個性派です。「加盟するなら大手以外のコンビニがいい」という人にはピッタリのフランチャイザーではないでしょうか。

ミニストップの場合

ミニストップはイート・イン・スタイルコンビニとして先駆け的な存在です。ソフトクリームなどのスイーツ類からホットスナックまで他店とは一線を画すオリジナル商品を展開してきました。

創業は1980年で、同年7月に1号店を横浜市に出店しました。5年後には100店舗を超え、96年、東証一部に上場します。また、韓国やフィリピン、ベトナムといった海外にも積極的に進出。近年はいち早く電子マネーにも対応するなど顧客の利便性を重視した経営を続けています。

店舗数は2017年10月末時点で国内外合わせて5332店舗(国内2255店舗、海外3077店舗)で業界4位。国内では1都2府24県で展開。海外では韓国、フィリピン、中国、ベトナムの4カ国に進出しています。

ミニストップの国内外店舗数

国内 2255店舗 海外 韓国 2426店舗
中国 63店舗
フィリピン 489店舗
ベトナム 99店舗
合計 3077店舗

(ミニストップHPより)

ミニストップのフランチャイズ契約形態は、おもに、加盟オーナーが土地・建物を用意するタイプ(Sタイプ・SLタイプ)と、本部が用意するタイプ(CLタイプ・MLタイプ)があります。契約期間は7年です。

契約時に支払う加盟金はいずれのタイプも保証金150万円、開店準備金100万円の合計250万円です。

ミニストップの契約タイプ別の加盟料

SLタイプ(自分が店舗を用意) CLタイプ(本部が店舗を用意)
保証金 150万円 150万円
開業準備手数料 100万円 100万円
250万円 250万円

SLタイプは内外装費は本部負担。

毎月支払うロイヤリティは契約タイプ別で異なります。オーナーが土地・建物を用意する「SLタイプ」では粗利益(売上総利益)の33%となります。一方、本部が土地・建物を用意する「CLタイプ」では粗利益が360万円以下の部分だと36%、360万円を超える部分からは58%となっています。

ミニストップのロイヤリティ

SLタイプ(自分が店舗を用意) CLタイプ(本部が店舗を用意)
粗利益に対するロイヤリティ 33% 360万円以下には36%
360万円超えると58%

このほか、支援制度としてSLタイプでは賃料支援を最大30%までとしています。商品廃棄では商品原価40万円以上の部分の30%を支援として受けることができます。また、年間2100万円の総収入保証もあります。

ミニストップHPより)

デイリーヤマザキの場合

山崎製パンが運営するデイリーヤマザキは、焼きたてパンを味わえるコンビニとして1977年から店舗展開が開始されました。店舗内に厨房を設けているのが特徴で、他店にはない大きな強みとなっています。パンのほかホットスナックも充実しており、リピーターも多く、根強い固定客を獲得しています。

国内店舗数は1648店舗(2012年度)ですが、近年は店舗数を減らしています。

契約タイプでは、自分で店舗・設備を用意するタイプと、本部が用意するタイプがあります。

本部が用意するタイプでの加盟金は220万円です。その内訳は、研修費90万円、開店準備手数料100万円、開店時釣り銭30万円となります。

一方、自分で店舗・設備を用意するタイプでの加盟金は180万円です。その内訳は研修費50万円、開店準備手数料100万円、開店時釣り銭30万円となっています。

デイリーヤマザキの契約タイプ別の加盟料

本部が店舗を用意 自分が店舗を用意
研修費 90万円 50万円
開業準備手数料 100万円 100万円
保証金 30万円 30万円
220万円 180万円

このほか開店時商品代金として150万円以上を用意しておく必要があります。支援制度としては最大20万円の転居・引越し費用支給があります。

次に、ロイヤリティは、本部が店舗・設備を用意するタイプを見ると「一般品」とホットスナックなどの「デイリーホット商品」ごとに粗利益に応じて異なります。「一般品」の250万円以下では40%、250万円超〜360万円以下では55%、360万円超からは65%となります。一方、「デイリーホット商品」は一律27%です。

自分で店舗を用意するタイプでは、「一般品」の場合、500万円以下で30%、500万円を超えると23%となります。「デイリーホット商品」の場合は一律18%です。

デイリーヤマザキのロイヤリティ(一般品)

本部が店舗を用意 自分が店舗を用意
250万円以下 40% 500万円以下 30%
250万円超〜
360万円以下
55%
360万円超 65% 500万円超 23%

本部が店舗を用意するタイプの最低総売上利益は年間1680万円で、契約期間は10年です。自分で用意するタイプでは年1860万円、契約期間は5年です。

このほか、開店初期支援制度として、開業日から4ヶ月間は月間20万円〜50万円までの商品ロスを本部が負担します。

セイコーマートの場合

北海道内でセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンのトップ3社を抑えて店舗数1位となっているのがセイコーマートです。関東では茨城県と埼玉県にしか出店していないため、全国的な知名度では他のコンビニよりも劣るかもしれません。しかし、サービス産業生産性協議会によるコンビニ顧客満足度指数(JCSI)で2年連続1位を獲得するなど、ファンから最も強く支持されているコンビニとなっています。

セイコーマートは1971年、札幌市内に1号店を出店しました。それから10年間で道内店舗数を100に伸ばし、87年に埼玉県、翌年に茨城県に進出。以降、順調に出店数を伸ばしていき、2017年10月末時点で1184店舗(道内1088店舗、茨城85店舗、埼玉11店舗)を構えています。

道内におけるセイコーマートの人口カバー率は驚異の99.8%です。全179道内市町村のうち173市町村に出店しており、道民にとっては単なるコンビニエンスストアとしてではなく、日常生活に不可欠なライフライトしての役割を担っています。そのため、王者であるセブンイレブンが進出しても撤退を余儀なくされるほど、道民から圧倒的な支持を得ているのです。

近年のセイコーマートは出店数をほとんど増やしておらず、加盟店の募集を積極的に行っていないようです。JFAフランチャイズガイドによれば、加盟金は300万円です。その内訳は店舗の立地調査や、開店時におけるスタッフ貸し出し、研修費(50万円)などを含みます。

経営指導では、9日間のオーナートレーニング、教育研修、開店時の指導・援助週1回のスーパーバイザーによるアドバイスなどのサポートを受けられます。

セイコーマートの加盟金

内容 加盟料
経営ノウハウ代 合計300万円
商標使用料
店舗立地調査
開店時スタッフサポート
教育研修費

(JFAフランチャイズガイドより)

ロイヤリティは年間総粗利益の10%とされています。契約期間は10年間です。

最も加盟費用が安いのは?

ミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマートの3社を比較すると、セイコーマートの契約タイプが定かではないですが、本部が店舗・土地を用意するタイプで加盟費用が最も安いのはデイリーヤマザキの220万円となります。

ロイヤリティでは、セイコーマートの「年間総粗利益の10%」が圧倒的に低いと言えそうです。しかし、前述した通り、現在セイコーマートはフランチャイズ契約、店舗数などを非公表としているため、ミニストップの36%(360万円以下)が最も安いと言えます。

3社加盟費用比較(店舗・土地は本部が用意するタイプ)

ミニストップ デイリーヤマザキ セイコーマート
加盟金 350万円 220万円 300万円
ロイヤリティ 36%(360万円以下) 40%(250万円以下) 10%(年間総粗利益)

より安定した収入を求めて大手に加盟するのも一つの方法です。しかし独自の商品ラインナップや地域色の強い店舗など、一味違った本部を選択してみると独立の醍醐味を味わえて面白いかもしれません。自分に最も合うフランチャイズは何かを明確にして、後悔なく夢の独立・起業を果たしましょう。